第七十一 知病
知不知上、不知知病。夫唯病病、是以不病。聖人不病、以其病病。是以不病。
心に病める者
自分が知らないと自覚している者は最高だ。知らないのに知っているふりをしている者は、心が病(や)んでいるのだ。そして、心が病んでいることを病んでいると自覚する者の心は健全だ。聖人の心は病んでいない。というのは、聖人は心が病(や)んでいることを病んでいると自覚しているからこそ、聖人の心は健全と言えるのである。