- 2020/06/26
- 老子
第六十七 三寳
第六十七 三寳(天下の先頭には立たない)
天下皆謂我道大似不肖。夫唯大、故似不肖。若肖、久矣、其細也夫。我有三寳、持而保之。一曰慈、二曰儉、三曰不敢爲天下先。慈、故能勇。儉、故能廣。不敢爲天下先、故能成器長。今舍慈且勇、舍儉且廣、舍後且先、死矣。夫慈以戰則勝、以守則固。天將救之、以慈衛之。
三つの宝
世間の人は誰でも、私の教え(タオ)を、いかにも大きいが愚かなもののようだという。それが大きいからこそ、愚かなふうに見えるのだ。もし愚かなように見えなかったならば、とっくの昔に、ちっぽけなものになりさがっていたことだろう。もし愚かなように見えなかったならば、とっくの昔に、ちっぽけなものになりさがっていたことだろう。私には三つの宝がある。それを大切に保ち続けている、その第一は慈愛(慈母の愛)。二番目は倹約(むさぼらない)。三つ目が世の中で「第一人者」にはならない、ということだ。慈愛の中で、人は安心していられるし、むさぼりすぎないことで、人は(力を保って)ゆったりとしていられる、さらに 私が世の中で先頭に立つことをしないので、世の人たちは自分の才能が伸ばせるし、自分の技が磨けるのだ。もし人が愛と安心を見限り、自制を止め、権力を握り、後塵を拝する(後から付いていく)ことをいやがって、先頭をまっしぐらに突き進んだなら、その者は,破滅するだけだよ。慈愛があるから、攻撃では勝利するし、守っては負けることがない。天は慈愛で身を包み、それら(いま述べたようなこと)で、破滅を見ることなくさせてくれるのだ。