- 2020/11/15
- 老子
虚用第五
虚用第五
天地不仁、以萬物爲芻狗。聖人不仁、以百姓爲芻狗。天地之間、其猶槖籥乎。虚而不屈、動而愈出。多言數窮。不如守中。
天と地に仁(いつくし)みはない。それらにあっては万物は、わらでつくった狗のようなものだ。
聖人にも仁みはない。かれにとって人民どもは、わらでつくった狗のようなものだ。
だが天と地の中間は、ちょうど槖籥(ふいご)のようだといえるだろう。
その内部は虚であるが、力が尽きはてることはなく、動かせば動かすほど力が多く出てくる。
いっぽう口かずが多ければ、しばしばことばの威力は使いはたされる。心のなかにじっと保っておくことにこしたことはない。